【良庵の台所|第1回】腸は「第二の脳」じゃなかった

こんばんは。そして、こんにちは。
ヒクシポワタの橋本と申します。
今日から、新しいシリーズを始めます。
「良庵の台所」
最初の問いだけ、私から。
「腸は第二の脳、とよく聞く。 なぜ、第二なんだ?」
では、良庵。
この回は動画でも聞けます(約6分)。
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こんにちは。 良庵です。
いきなり橋本から、 妙な問いが飛んできました。
「腸は第二の脳、とよく聞く。なぜ、第二なんだ?」
……そこ、気にしますかね(笑)。
でもまあ、
言われてみれば妙な話です。
第二というからには、
第一がいる。
じゃあ腸は、
脳の弟分なのか。
いやいや。
調べてみると、
どうもそんな単純な話でもなさそうなんです。
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「腸は第二の脳」。
これは、聞いたことがある方も多いでしょう。
腸の壁には、
神経細胞がびっしりあります。
数億個ともいわれています。
しかも腸というやつは、
いちいち脳にお伺いを立てなくても動く。
食べ物を送る。
消化に必要なものを出す。
具合の悪いものが入れば、
外へ出そうとする。
なかなか勝手にやるんです。
もちろん、
脳と無関係という話じゃありません。
でも、
「脳が全部指図して、
腸は言われた通りに働いている」
というほど、
おとなしい臓器でもない。
だから、
「第二の脳」と呼ばれる。
……まあ、
ここまではよく聞く話です。
でも私は、
ここで少し引っかかりました。
なんで第二なんでしょうね。
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たぶん、
人間の目線で数えているからです。
頭にあるのが一番。
腹にあるのが二番。
誰が決めたんでしょうね、それ。
生き物の歴史を、
うんと昔までさかのぼってみます。
ヒドラという生き物がいます。
池にいる、 数ミリの、筒みたいなやつです。
こいつには、
脳がありません。
あるのは、
食べ物を消化する管と、
その管を取り巻く神経の網。
それだけ。
それだけで、
餌を捕まえて、
飲み込んで、
消化して、
いらないものは吐き出す。
なかなか、やるでしょう。
つまり、
腸を動かす神経のほうが先にあった。
脳はあとから来た。
生き物はまず、
「食べる管」だったんです。
その管をうまく動かすために神経ができて、
その神経の一部が、
だんだん頭のほうに寄り集まって、
脳になっていった。
順番でいえば、
腸が先。
脳があと。
第二の脳、じゃない。
腸のほうが「第一の脳」で、
頭のやつは二番目。
第一は、ちゃんといました。
腹の中に。
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順番をひっくり返すと、
見え方も変わります。
たとえば、気分。
心を落ち着かせる物質として名前の知れた、
セロトニンというやつがあります。
これ、体の中で作られる分の大半は、
脳じゃなくて腸で作られている、
といわれています。
腸の壁の細胞が作って、
腸を動かしたり、
脳へ信号を送ったりするのに使っている。
たとえば、情報の向き。
腸と脳をつなぐ、
迷走神経という太い神経があります。
ここを通る情報は、
脳から腸へ、より、
腸から脳へ、のほうがずっと多い。
そういわれています。
脳が指令を出している、というより、
腸がしょっちゅう報告を上げていて、
脳はそれを聞いている。
そう考えると、
「なんとなく気が重い」
「理由はないけど落ち着かない」
そういう日の出どころが、
頭じゃないかもしれない、
という話になってきます。
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日本語には、
昔からそれを知っていたような言葉が残っています。
腹が立つ。
腹を決める。
腹に落ちる。
腹の虫がおさまらない。
怒りも、覚悟も、納得も、
昔の人は頭じゃなくて、
腹に置いていた。
「腹の虫」なんて、
腹の中に何か住んでいて、
そいつが機嫌を左右している、
と感じていたんでしょうね。
……おっと、脱線しました。
ただこの「腹の虫」は、
次回以降にちゃんと出てきますので。
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私が台所に立つ理由も、
だいたいここです。
頭で「元気になろう」と決めても、
体は、そう簡単には動きません。
でも腸が変わると、
気分やら、目覚めやら、肌の調子やらが、
あとからのこのこ付いてくる。
橋本から預かっている話にも、
食を変えて、
10か月ほど経ってから測ってみたら、
数字が動いていた、
というのがあります。
本人は、
特に何もしていないつもりだったそうです。
その話は、
もう少し先の回で出します。
頭が主で、腸が従、じゃなくて。
腸が主で、頭は聞き役。
そう置き直すと、
「何を食べるか」が、
そのまま「どう考えるか」につながってくる。
台所は、その入口です。
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次回は、
腸の中に住んでいるやつら、
乳酸菌の話をします。
ひとくちに乳酸菌といっても、
一種類じゃないんです。
今日はこのへんで。
台所に戻ります。
良庵
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橋本です。
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